kintone支援完全ガイド:導入・活用を成功させるサポートサービス徹底比較

kintone(キントーン)はその柔軟性と拡張性から多くの企業で導入が進んでいますが、「導入したものの活用しきれていない」「自社だけでは高度な設定やアプリ開発が難しい」といった声も聞かれます。kintoneは「ノーコード」で簡単にアプリが作れると広く認識されていますが、その多機能性ゆえに、業務プロセス全体を最適化するような高度なシステムを構築しようとすると、専門的な知識や設計スキルが求められる場面が少なくありません 。このため、多くのユーザーにとって、kintoneの真価を引き出すためには専門家のサポートが不可欠となるのです。本記事では、kintoneの導入から開発、運用、内製化に至るまで、あらゆるフェーズで役立つ「kintone支援サービス」について徹底解説します。最適なサポートを見つけ、kintoneを最大限に活用し、業務効率化を実現するための完全ガイドです。  

kintone(キントーン)とは?基本をおさらい

kintone支援の必要性を理解する前に、まずはkintoneがどのようなツールなのか、その基本的な機能と導入メリットを再確認しましょう。

kintoneの主な機能とできること

kintoneは、プログラミングの知識がなくても、自社の業務に合わせたビジネスアプリケーション(アプリ)を簡単に作成、カスタマイズできるクラウドサービスです 。主な機能としては、データベース機能、ワークフロー機能、コミュニケーション機能、外部連携機能などが挙げられます。  

  • 業務アプリの作成・改善: kintoneの最大の特長は、現場のニーズに合わせて迅速に業務アプリを構築・改修できる点です。顧客管理、案件管理、日報、タスク管理、問い合わせ管理、交通費申請といった定型的な業務から、企業独自の特殊な業務に至るまで、多岐にわたるアプリをドラッグ&ドロップの簡単な操作で作成できます 。既存のExcelやCSVファイルをkintoneに読み込ませるだけで、データに基づいたアプリを自動生成することも可能です 。さらに、100種類を超える業種別・業務別のサンプルアプリが用意されており、これらを雛形として利用したり、自社の要件に合わせてカスタマイズしたりすることで、効率的にアプリ開発を始めることができます 。  
  • データの一元管理と見える化: 社内に散在しがちな顧客情報、案件情報、進捗状況、各種申請データなどをkintoneに集約することで、情報の一元管理が実現します 。データはリアルタイムで共有され、必要な情報を誰もが迅速に確認できるようになるため、業務の「見える化」が促進されます。蓄積されたデータは、条件での絞り込み表示や、グラフ・レポート機能を用いた集計・分析が容易に行え、的確な状況把握や迅速な意思決定を支援します 。また、強力な全文検索機能により、アプリ内のデータだけでなく、添付ファイルの中身に至るまで瞬時に検索することが可能です 。  
  • コミュニケーションの円滑化: kintoneは単なるデータベースツールではなく、チーム内外のコミュニケーションを活性化させる機能も豊富に備えています。各アプリのデータ(レコード)に直接コメントを書き込めるため、情報とその情報に関するやり取りが一箇所に集約され、経緯の把握が容易になります 。また、「スペース」と呼ばれる機能を使えば、特定のプロジェクトやチーム、部署単位で掲示板(スレッド)を作成し、情報共有やディスカッションを行うことができます 。メンション機能で特定の相手に通知を送ったり、更新通知を受け取ることで、情報伝達の効率化と迅速な対応が可能になります 。  
  • ワークフロー(プロセス管理): 社内の稟議申請や経費精算、各種承認業務といったワークフローをkintone上で構築し、完結させることができます 。申請から承認までの進捗状況がリアルタイムで可視化されるため、業務の滞留を防ぎ、意思決定のスピードアップに貢献します。  
  • 外部サービス連携と拡張性: kintoneはAPI連携や、300種類以上提供されているプラグイン・連携サービスを活用することで、その機能を大幅に拡張できます 。例えば、kintoneに蓄積されたデータを見栄えの良い帳票として出力したり、Webフォームからの問い合わせデータを直接kintoneに取り込んだり、既存の会計システムやMAツールと連携させたりすることが可能です 。これにより、kintoneをハブとして様々なシステムを連携させ、より広範な業務の自動化・効率化を図ることができます。  
  • その他便利な機能: 上記以外にも、kintoneは業務をサポートする多彩な機能を備えています。スマートフォンやタブレットからもアクセス可能なマルチデバイス対応により、時間や場所を選ばない働き方を実現します 。アプリ単位、レコード単位、さらには項目(フィールド)単位で細かくアクセス権を設定できるため、セキュリティを確保しつつ柔軟な情報共有が可能です 。特定の日時や条件に基づいて通知を送るリマインダー機能や、海外拠点との連携に役立つ多言語対応なども、業務効率化に貢献します 。  
kintone支援完全ガイドイメージ画像

kintone導入のメリット

kintoneを導入することで、企業は多くのメリットを享受できます。これらのメリットを最大限に引き出すためには、適切な初期設定、業務に即したアプリ設計、そして時には専門的なカスタマイズが求められ、これが「支援」の価値が生まれるポイントとなります。

  • 業務効率の向上・生産性向上: 情報共有の迅速化、手作業の自動化・削減、業務プロセスの標準化を通じて、組織全体の生産性向上に大きく貢献します 。例えば、従来は専用のソフトウェアやシステムが必要だった見積書から請求書へのデータ連携と自動作成といった作業も、kintoneのカスタマイズや連携機能を活用することで実現可能になる場合があります 。  
  • 情報共有の円滑化と属人化の防止: kintone上に情報が一元化され、リアルタイムで共有されることで、部門間の壁を超えたスムーズな連携が促進されます 。誰が何の情報を持っているか、どのような経緯で業務が進んでいるかが明確になるため、「担当者でないと分からない」といった業務の属人化を防ぎ、業務の継続性や柔軟性を高めます 。  
  • コスト削減: 自社で業務アプリを開発・改修できるようになるため、外部のシステム開発会社への高額な委託費用を大幅に削減できる可能性があります 。また、紙ベースの業務をデジタル化することによるペーパーレス化の推進や、複数の専用システムをkintoneに集約することによるシステム運用コストの低減にも繋がります 。  
  • 柔軟な働き方への対応: kintoneはクラウドベースのサービスであるため、インターネット環境さえあれば、オフィス内外を問わず、PC、スマートフォン、タブレットなど様々なデバイスからアクセス可能です 。これにより、テレワークや在宅勤務、外出先からの業務対応など、多様で柔軟な働き方を支援します。  
  • 迅速な導入と改善サイクル: クラウドサービスであるため、サーバー構築などの手間がなく、短期間での導入が可能です 。さらに重要なのは、導入後も業務内容の変化や現場のフィードバックに応じて、アプリをスピーディーに改修し、継続的な業務改善のサイクルを回せる点です 。  
  • セキュリティ: 企業がクラウドサービスを利用する上で最も懸念する点の一つがセキュリティですが、kintoneはIPアドレスによるアクセス制限、二要素認証、詳細なアクセス権設定など、高度なセキュリティ機能を備えています 。これにより、重要な業務データを安心して管理・運用することができます。  

kintone支援(サポート)とは?種類と選び方

kintoneのポテンシャルを最大限に引き出すためには、専門的な知識やノウハウを持つ支援サービスの活用が鍵となります。ここでは、kintone支援の必要性、主な種類、そして自社に最適なサービスを選ぶための比較ポイントを解説します。

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なぜkintone支援が必要なのか?よくある課題

kintoneは多機能で便利なツールですが、導入・運用において以下のような課題に直面することがあります。これらの課題解決のために、kintone支援サービスの利用が有効です。kintoneが「ノーコード」で手軽に始められるという側面は、かえってその奥深さや多機能性を見えにくくし、結果として「導入したものの、基本的な機能しか使えていない」「もっと業務を効率化できるはずなのに、どうすれば良いかわからない」といった状況を生み出すことがあります。これはツールの欠陥ではなく、強力で柔軟なプラットフォームが持つ必然的な側面と言えるでしょう。

  • 機能の複雑性と活用範囲の広さ: kintoneは非常に多機能であるため、「どの機能をどのように自社の業務に適用すれば最大の効果が得られるのか判断が難しい」「kintoneの機能を十分に使いこなせていない」といった声は少なくありません 。何から手をつければ良いか分からず、宝の持ち腐れになってしまうケースも見受けられます。  
  • アプリ設計・開発の難易度: 「kintone運用を考慮した設計が困難である」 という課題は、特に初期段階で重要です。不適切なデータ構造やアプリ設計は、後々の運用負荷の増大、メンテナンスの複雑化、さらにはデータ活用の阻害に繋がる可能性があります 。また、複雑な業務ロジックをアプリで再現したり、JavaScriptやCSSを用いた画面カスタマイズ、APIを利用した外部システム連携といった高度な開発には、やはり専門的な知識と技術が不可欠です 。結果として、似たような機能のアプリが部署ごとに乱立し、管理が煩雑になる「アプリ乱立問題」も頻繁に指摘される課題です 。  
  • リソース不足: 「自社でアプリ作成に十分な人員を割けない」 、「社内にIT担当者がいない、または他の業務で多忙」といったリソース面の制約は、多くの企業が抱える共通の悩みです。kintoneの活用推進には、ある程度の時間と労力が必要となります。  
  • 既存システムとの連携: 「社内の既存システムとの連携ができない」 という問題も、kintone活用の幅を広げる上で大きな壁となります。基幹システムや会計ソフト、その他のクラウドサービスとの間でデータをスムーズに連携させるには、APIに関する知識や連携ツールの選定・設定スキルが求められることが一般的です 。  
  • 運用・定着化の課題: システムは導入して終わりではありません。「開発や運用の相談相手が欲しい」 というニーズは常に存在します。また、特定の担当者だけがkintoneに詳しくなり、その人が異動や退職をすると業務が滞ってしまう「開発・改修業務が属人化し、引き継ぎが困難」 というリスクも考慮しなければなりません。全社的にkintoneの利用を定着させ、継続的に活用していくための体制づくりも重要な課題です。  
  • コストとROIの懸念: kintone本体のライセンス費用に加え、プラグインや連携サービスを利用する際には追加のコストが発生することがあります 。そのため、「本当にこの機能は必要なのか、投資に見合う効果が得られるのかを慎重に検討する」 必要があります。専門家の支援は、こうした費用対効果の判断や、無駄な投資を避けるためのアドバイスにも繋がります。kintone導入や支援サービスの利用は、単なるコストではなく、将来的な業務効率化や生産性向上への「投資」と捉え、そのリスクを低減し成功確率を高める手段として支援を活用するという視点が重要です。  

kintone支援の主な種類

kintone支援サービスは多岐にわたります。企業のフェーズやニーズに合わせて適切な支援を選ぶことが重要です。支援の形態は、専門家が全てを代行する「請負開発」のような形から、企業担当者と専門家が二人三脚で進める「伴走支援」、そして企業自身がスキルを習得し自立することを目指す「内製化支援」まで、幅広いスペクトラムが存在します。自社の状況と長期的な目標を照らし合わせ、最適な支援の形を見極めることが成功の鍵となります。

  • 導入支援・初期設定サポート
    • 内容: kintoneの利用開始に必要な初期設定、アカウント開設、基本的な環境構築、ドメイン設定、ユーザー管理設定などをサポートします。初めてkintoneを導入する企業や、社内にIT専門の担当者がいない場合に特に有効です。
    • サービス例: サイボウズ社が直接提供する相談窓口 や、多くのパートナー企業が提供する導入計画の策定支援 などがあります。  
    • ポイント: スムーズなkintone利用開始を実現し、初期段階でのつまずきや設定ミスを防ぎます。適切な初期設定は、その後のkintone活用の土台となり、長期的に見て大きな効果を生み出す最初のステップです。
  • アプリ開発・カスタマイズ支援
    • 内容: 企業の具体的な業務要件ヒアリングに基づいたカスタムアプリの設計・開発、既存アプリの機能改善や改修、業務効率を向上させるためのプラグイン選定・設定、さらにはJavaScriptやAPIを利用した高度なカスタマイズや外部システム連携など、専門的な開発作業を支援します。
    • サービス例: リコーが提供する対面開発サービスや請負開発サービス 、テクバンの開発支援サービス 、ジョイゾーの定額開発サービス など、多様な提供形態があります。  
    • ポイント: 自社だけでは対応が難しい複雑なアプリケーション開発や、特定の業務プロセスに完全に合致したオーダーメイドのシステム構築を実現できます。
  • 運用支援・伴走支援(Bansou Shien)
    • 内容: kintone導入後の日々の運用に関する相談対応、発生した課題の解決支援、より効果的な活用方法の提案、定期的なミーティングによる進捗確認や改善活動、チャットツールなどを活用した迅速なサポートなど、継続的に企業に寄り添いながらkintone活用をトータルで支援します。
    • サービス例: リコーの伴走サービス 、大塚商会の「たよれーる kintone 伴走支援サービス」 、広済堂ネクストの「kintone伴走支援型コンサルティング」 、コムデックの「kintone伴走支援」 、船井総合研究所の「kintone伴走支援」 、ジョイゾーの「サポート39」 など、多くの企業が特色ある伴走支援を提供しています。  
    • ポイント: kintoneの社内利用定着を強力に促進し、導入効果を一過性のものにせず、継続的な業務改善を実現します。また、運用ノウハウの蓄積や、担当者のスキルアップにも繋がり、運用の属人化を防ぐ効果も期待できます。
  • 内製化支援・教育研修
    • 内容: 企業自身がkintoneアプリを主体的に開発・運用・改善していけるようになるためのスキル習得を支援します。kintoneの基本操作からアプリ設計の考え方、プラグインの活用方法、さらにはJavaScriptカスタマイズの基礎まで、レベルに応じた研修プログラムの提供や、実際の業務課題を通じた実践的なトレーニング(OJT形式)などを行います。
    • サービス例: NDISの内製化支援サービス 、コムデックの対面開発を通じた内製化支援 、大塚商会などが提供する管理者指導や個別企業向けスクール があります。  
    • ポイント: 長期的な視点で見ると、外部の支援への依存度を低減し、社内にkintoneの知識とノウハウを蓄積することで、変化に強い柔軟なシステム運用体制を構築できます。
  • コンサルティング
    • 内容: 現状の業務プロセスの詳細な分析、課題の明確化、kintoneを最大限に活用した業務改善策の提案、システム全体の設計、具体的な導入計画の策定など、より戦略的かつ上流工程からのアドバイスや支援を提供します。
    • サービス例: ギャンのkintoneコンサルティング 、船井総合研究所のkintone導入・運用コンサルティング など、専門的な知見を持つコンサルタントが対応します。  
    • ポイント: kintone導入の目的を明確にし、単なるツール導入に終わらせず、経営課題の解決や事業目標の達成に繋げるためのロードマップを描き、その実現をサポートします。このような支援は、kintoneを単なる業務ツールとしてではなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための戦略的基盤として位置づける際に特に有効です。

kintone支援の種類と特徴

支援の種類主な内容こんな企業におすすめ期待できる効果
導入支援・初期設定初期設定、アカウント開設、基本環境構築、ユーザー管理設定など初めてkintoneを導入する企業、IT担当者がいない企業スムーズな利用開始、初期段階のつまずき防止、長期的な活用の土台作り
アプリ開発・カスタマイズカスタムアプリ設計・開発、既存アプリ改修、プラグイン選定・設定、高度なカスタマイズ自社で複雑なアプリ開発が難しい企業、特定の業務に最適化されたシステムが必要な企業業務に特化した高機能なアプリの実現、開発期間の短縮
運用支援・伴走支援導入後の運用相談、課題解決、改善提案、定期ミーティング、チャットサポートなどkintoneの利用定着に課題がある企業、継続的に業務改善を行いたい企業、運用の属人化を防ぎたい企業利用定着促進、継続的な業務改善、運用ノウハウ蓄積、担当者のスキルアップ
内製化支援・教育研修スキル習得支援、研修プログラム提供、アプリ作成指導、実践トレーニング将来的に自社でkintoneを開発・運用したい企業、外部依存を減らしたい企業社内でのkintone開発・運用体制の構築、ノウハウ蓄積、柔軟なシステム改修対応
コンサルティング業務分析、課題洗い出し、業務改善提案、システム全体設計、導入計画策定などkintone導入の目的を明確にしたい企業、戦略的にkintoneを活用したい企業、DXを推進したい企業投資対効果の最大化、経営課題解決への貢献、DX推進のロードマップ策定と実行支援

kintone支援サービスを選ぶ際の比較ポイント

数あるkintone支援サービスの中から最適なものを選ぶためには、以下のポイントを比較検討しましょう。単に技術力だけでなく、自社の業種や業務プロセスへの理解度も重要な選定基準となります。特定の業界知識を持つパートナーは、より的確なアプリ設計や業務改善提案が期待できるため、一般的なkintoneスキルだけでなく、そうした専門性も確認することが推奨されます。

  • サポート範囲と内容 自社の抱える課題や達成したい目的に、提供されるサポート内容が合致しているかを確認することが最も重要です。例えば、単にアプリを開発してほしいのか、それとも開発後の運用方法に関するアドバイスや継続的な改善支援まで必要なのか、あるいは社員が自らkintoneを使いこなせるようになるための内製化支援を求めているのか、といった具体的なニーズを明確にしましょう。JavaScriptを用いた高度なカスタマイズや、既存システムからのデータ移行支援の可否なども、事前に確認すべき点です 。  
  • 費用体系(チケット制、月額、プロジェクトベース等) 提供されるサポート内容と照らし合わせて、費用が予算内に収まるか、料金体系が明確で理解しやすいかを確認します。支援サービスには、必要な時に必要な分だけ利用できるチケット制 、毎月定額で継続的なサポートを受けられる月額定額制 、開発規模やプロジェクト内容に応じて個別に見積もりが行われるプロジェクトベースなど、様々な形態があります。初期費用、月額費用、追加で費用が発生するケース(例:特定のプラグイン利用料、超過サポート時間など)を事前にしっかりと把握しておくことが重要です 。また、kintone本体のライセンス費用は、これらの支援サービス費用とは別途必要になることを念頭に置いておきましょう 。  
  • 実績と専門性(公式パートナーか、得意な業種・業務は何か) 支援提供企業がサイボウズ社のオフィシャルパートナーであるかは、一つの信頼性の指標となります 。パートナーにはランクや認定資格制度もあり、資格保有者が在籍しているかどうかも専門性の高さを示す手がかりになります 。加えて、自社と同じ業種や業界でのkintone導入実績、具体的な成功事例があるかを確認しましょう 。特定の業務領域(例えば、販売管理、在庫管理、人事労務、会計連携など)に関する深い専門知識やノウハウを持っているかどうかも、より質の高い支援を受けるための重要なポイントです。  
  • サポート形式(対面、リモート、チャット等) 自社が希望するサポートの受け方に支援企業が対応しているかを確認します。例えば、直接会って画面を見ながら開発を進めてほしい場合は対面開発 、遠隔地でも迅速なサポートを受けたい場合はリモートサポートやオンライン相談 、日々の細かな疑問点を気軽に質問したい場合はチャットサポート など、様々な形式があります。サポートの対応時間(平日日中のみ、など)や、問い合わせに対するレスポンスの速さも、実際の運用を考えると重要な要素です。  
  • コミュニケーションと相性 支援サービスは、一度きりの取引ではなく、ある程度の期間にわたって継続的な関係を築くことが多いため、担当者とのコミュニケーションの取りやすさや相性は非常に重要です。自社の要望を的確に理解し、専門的な知見に基づいて建設的な提案をしてくれるか、質問しやすい雰囲気かなど、実際のやり取りを通じて見極めることが大切です。長期的なパートナーシップを築ける信頼できる相手かどうかを判断しましょう 。  
  • 契約条件 契約前には、最低契約期間、利用チケットの有効期限や繰り越しルール、解約時の条件や手続きなど、契約に関する詳細な条件を必ず確認しましょう 。後々のトラブルを避けるためにも、不明な点は遠慮なく質問し、納得した上で契約を進めることが肝心です。  

kintone支援サービス比較検討チェックリスト

カテゴリチェック項目自社評価(メモ)
サポート内容自社の課題解決に必要なサービスが含まれているか?(例:アプリ開発、運用相談、改善提案、内製化支援)
JavaScriptカスタマイズ、API連携、データ移行支援など、必要な専門技術に対応可能か?
費用初期費用、月額/年額費用、チケット単価は明確か?
追加費用が発生する可能性のある項目(例:超過サポート、特定プラグイン費用)は何か?
kintoneライセンス費用は別途必要か、支援費用に含まれるか?
実績・専門性サイボウズオフィシャルパートナーか?kintone認定資格保有者は在籍しているか?
自社と同じ業種・規模の企業の導入・支援実績はあるか?
具体的な成功事例(数値的成果など)を提示してもらえるか?
自社の主要業務(例:販売管理、生産管理、人事労務など)に関する専門知識やノウハウを持っているか?
サポート形式希望するサポート形式(対面、リモート、チャット、電話、メール)に対応しているか?
サポートの対応時間帯(平日、土日祝、夜間など)は?
問い合わせへのレスポンス速度や、緊急時の連絡手段は確保されているか?
コミュニケーション担当者とのコミュニケーションは円滑に進みそうか?(説明の分かりやすさ、質問のしやすさなど)
こちらの要望を正確に理解し、業務知識に基づいた建設的な提案をしてくれるか?
長期的なパートナーとして信頼できるか?
契約条件最低契約期間はどのくらいか?
チケット制の場合、チケットの有効期限や繰り越し、追加購入のルールは?
途中解約の条件や手続き、違約金などはあるか?
秘密保持契約(NDA)の締結は可能か?
主要なkintone支援サービス提供企業

主要なkintone支援サービス提供企業と特徴(例)

kintone支援を提供する企業は多岐にわたります。ここでは代表的な提供元のタイプと、それぞれの特徴を紹介します。自社のプロジェクトの規模、複雑性、そしてkintoneをどの程度戦略的に位置づけているかによって、最適なパートナーのタイプは異なります。

サイボウズ公式の相談窓口

  • 内容: kintoneの開発元であるサイボウズ株式会社自身が提供する相談窓口です。主にkintone導入前の検討段階にある企業や個人を対象に、製品の機能概要、料金プラン、基本的な導入の進め方などに関する情報提供や相談に応じています。また、契約後のユーザーに対しても、基本的な操作方法に関するサポートを提供しています。
  • 特徴: 製品に関する最も正確かつ最新の情報を直接得られるという安心感があります。相談方法としては、電話、メール、そしてオンラインでの個別相談などが用意されています 。初心者向けの導入ガイドブックやセミナー情報など、学習リソースも豊富に提供されています 。  
  • ポイント: 「kintoneについてまず何から知れば良いかわからない」「基本的な機能や価格について公式の情報を確認したい」といった場合に最初にアクセスする窓口として最適です。ただし、個別の業務に合わせた高度なアプリケーション開発や、専門的な業務コンサルティング、複雑なシステム連携といった領域については、サイボウズが認定するパートナー企業への紹介となることが一般的です。

大手ITベンダー・SIerによる支援

  • 企業例: 株式会社リコー 、株式会社大塚商会 、テクバン株式会社 などが挙げられます。これらの企業は、全国規模での広範なサポート体制、多岐にわたる業種・業界での豊富な導入実績、そしてkintone以外の多様なITソリューションとの連携や、大規模なシステム導入プロジェクトへの対応力を有しています。  
  • 特徴: 既存の基幹システム(ERP、CRMなど)との連携や、全社的なデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の一環としてkintoneを戦略的に導入・活用しようとする場合に、その総合的なIT知見とプロジェクトマネジメント能力が強みを発揮します。
  • 提供サービス: kintoneの導入計画策定から初期設定、アプリケーション開発、運用保守、社員向け研修、そして継続的な伴走支援に至るまで、非常に幅広いサービスメニューを一括して提供できる体制を持っていることが多いです 。  
  • ポイント: 既に取引関係のある大手ITベンダーに相談できる安心感や、ワンストップでのサポートを期待できるメリットがあります。一方で、専門特化型の企業と比較した場合、費用が比較的高めに設定される傾向があることや、個別の細かな要望に対する小回りの利いた対応という点では、専門企業に分がある可能性も考慮に入れる必要があります。

kintone専門の開発・コンサルティング企業による支援

  • 特徴: 特定の業種(例:製造業、建設業、医療福祉、士業など)や業務(例:販売管理、在庫管理、プロジェクト管理、人事労務など)に強みを持つ企業も多く、より専門的で実践的なアドバイスやソリューション提供が期待できます。クライアントの個別のニーズに合わせた柔軟な対応や、きめ細かいサービス提供が強みです。サイボウズの「オフィシャルパートナー」認定は、一定の技術力や実績を持つことの証左であり、パートナー選びの一つの目安となります 。  
  • 提供サービス: 顧客との密なコミュニケーションを通じて業務課題を深く理解し、それを解決するためのアプリ設計・開発を行う「伴走支援」や「対面開発」、一定の予算と期間内で集中的に開発を行う「定額開発」、企業自身がkintoneを使いこなせるようになるための「内製化支援」、さらには業務分析からシステム全体の最適化を提案する「コンサルティング」、特定の機能を実現する「プラグイン開発」など、専門性の高い多様なサービスを提供しています。
  • ポイント: 「kintoneをより深く、戦略的に活用したい」「特定の複雑な業務課題をkintoneで解決したい」「将来的には自社でkintoneを運用・改修できる体制を築きたい」といった具体的なニーズを持つ企業にとって、有力な選択肢となります。提供されるサービス内容や費用体系、得意とする業種・業務は企業によって大きく異なるため、複数の企業を比較検討し、自社の目的や文化に最も合致するパートナーを見つけることが成功の鍵となります。
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kintone支援を活用するメリットと成功事例

専門的なkintone支援サービスを利用することで、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。また、実際に支援を活用して業務改善に成功した事例も見ていきましょう。

専門知識の活用で開発・導入をスピードアップ

kintoneの専門家や経験豊富なパートナー企業による支援を受ける最大のメリットの一つは、アプリの設計から開発、初期設定、必要なカスタマイズに至るまでのプロセスを大幅にスピードアップできる点です 。専門家はkintoneの機能を熟知しており、企業の要件をヒアリングした後、最適なアプリ構成やデータ構造を迅速に提案し、効率的な開発を進めることができます。要件定義から開発、品質チェック、そして実際の業務へのリリースまでの一連の流れがスムーズに進行するため、自社だけで試行錯誤する場合と比較して、短期間で高品質なシステムを稼働させることが可能になります 。これにより、業務改善の効果を早期に実感できるようになります。  

自社リソースの課題を解決

多くの企業、特に中小企業においては、IT専門の担当者が不在であったり、既存の業務で手一杯で新たなシステム導入に十分なリソースを割けないという課題を抱えています 。kintone支援サービスを活用することで、このようなリソース不足の問題を補い、専門家の手を借りてkintoneの導入・活用を着実に進めることができます。「アプリを開発・改修するための時間やスキルを持つ人材が社内にいない」といった具体的な問題を解消し、本来注力すべきコア業務に社員が集中できる環境を作り出すことにも繋がります 。  

属人化を防ぎ、kintone活用の定着化を促進

システム導入においてよく見られる課題の一つが、特定の担当者だけがシステムに詳しくなり、その人に業務が集中してしまう「属人化」です。kintone支援サービスでは、専門家が適切なアプリ設計を行うだけでなく、必要に応じて操作マニュアルなどのドキュメント作成を支援したり、社員向けの研修を実施したりすることで、属人化のリスクを軽減します 。特に、継続的に運用をサポートする「伴走支援」や、社員自身がkintoneを使いこなせるようになることを目指す「内製化支援」は、社内でのkintone利用方法の標準化を促し、一部の詳しい人に頼るのではなく、組織全体としてkintoneを活用できる文化を醸成し、利用の定着化を強力に後押しします 。これにより、kintoneは持続的に活用される生きたシステムとなります。  

【事例紹介】kintone支援で業務改善を実現したケース

kintone支援を活用することで、様々な業種・業務で目覚ましい改善が実現しています。以下に具体的な事例をいくつか紹介します。

  • 製造業: 生産計画と実績の管理、リアルタイムな在庫状況の把握、厳格な品質管理プロセスの効率化など、多岐にわたる活用が見られます 。ある企業では、kintone導入支援を受けて製品の品質向上とトレーサビリティ確保を実現し、別の企業では基幹システムとの連携を含む複雑なシステム構築に成功したケースもあります 。  
  • 建設業: 煩雑なプロジェクト関連書類の作成・管理、日々の工程管理、多数の協力会社とのスムーズな情報連携といった課題に対し、kintoneが業務負担の大幅な軽減に貢献しています 。  
  • 不動産業: 膨大な顧客情報や多様な物件情報(売買、賃貸)の一元管理を実現し、MA(マーケティングオートメーション)ツールとの連携によって、より効果的なマーケティング活動を展開している事例があります 。  
  • 卸売・小売業: 受発注業務の効率化、適正在庫の維持、顧客情報に基づいた販促活動の強化などにkintoneが活用されています。特に多店舗展開している企業では、店舗間の情報共有基盤として機能し、全体最適化に貢献しています 。  
  • 医療福祉業: 慢性的な人手不足が課題となるこの業界では、kintoneによる事務作業時間の大幅な削減、介護記録のペーパーレス化と情報共有の迅速化、施設運営に関わる各種管理業務の効率化などが報告されています 。  
  • 士業・コンサル業: 顧客ごとの詳細な対応履歴管理、複雑な案件の進捗状況の可視化、タスク管理などをkintoneに集約することで、業務の抜け漏れを防ぎ、サービス品質の向上に繋げています 。  
  • 金融業: 例えば、みずほ信託銀行では、kintone導入支援を通じて本部と営業拠点間の情報共有を迅速化し、ペーパーレス化の推進、業務進捗のリアルタイムな見える化を実現しました 。  
  • サービス業: 伊勢名物の製造販売で知られる株式会社赤福では、kintoneを活用することで、従来手作業で行っていた集計業務にかかる時間を年間200時間も削減することに成功しました 。  
  • 学校・教育機関: 学生の成績や出欠などの情報管理、授業計画や教材の共有、校務処理の効率化、さらには保護者への連絡手段のデジタル化など、教育現場のDX推進にkintoneが貢献しています 。  
  • 自治体: 災害時の避難所運営情報のリアルタイム共有、市民からの災害情報や放置自転車などの通報受付システム、各種補助金・助成金のオンライン申請システムの構築など、行政サービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進にkintoneが積極的に活用されています 。宮城県では行政文書のやり取りをkintoneで効率化し 、山形県酒田市では公用車の車両管理をkintone化することで車検漏れを防止し、運転日報も電子化して業務を大幅に削減しました 。  
  • その他: 一般社団法人横浜市医師会では、kintoneプラグイン「ATTAZoo+」を活用し、事務局の職員全員がアプリ開発に携わる体制を構築。日常業務の効率化はもちろん、新型コロナウイルスワクチン接種の集団接種管理や能登半島地震の災害支援といった緊急性の高い活動を支えるアプリ開発も実現しています 。また、非IT部門である堺アルミ株式会社では、kintoneを中心としたツール連携により、年間500時間もの作業時間削減を達成しました 。  

これらの事例は、適切なkintone支援を受けることで、業種や規模を問わず、多様な業務課題が解決され、具体的な成果に繋がることを示しています。

まとめ:最適なkintone支援を見つけて業務効率を最大化しよう

kintoneは、正しく導入・活用すれば、企業の業務効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めた強力なプラットフォームです。しかし、その多機能性や柔軟性ゆえに、自社だけでポテンシャルを最大限に引き出すことが難しい場面も少なくありません。特に、初期の設計段階で専門家の助言を得ることは、将来的な拡張性や運用効率に大きな影響を与えるため、非常に重要です。初期に適切な設計を行うことで、後々の手戻りを防ぎ、結果として時間とコストの節約に繋がる「複利効果」が期待できます。

本記事で解説したように、kintone支援サービスには、導入初期のセットアップから高度なアプリ開発、日々の運用サポート、そして社員自身がkintoneを使いこなすための内製化支援まで、様々な種類があります。これらの支援は、単に技術的な問題解決に留まらず、業務プロセスの見直しや、より戦略的なkintone活用を促す触媒としての役割も担います。

自社の抱える課題、利用可能なリソース、kintone活用の現在のフェーズ、そして将来的にどのような状態を目指すのかを明確にすることが、最適な支援サービスを選ぶための第一歩です。本記事で紹介した「支援の種類」や「選ぶ際の比較ポイント」、そして「支援サービス比較検討チェックリスト」などを参考に、ぜひ自社に最適なkintone支援パートナーを見つけてください。

信頼できるパートナーと共にkintone活用を推進することで、単なる個別の業務改善に留まらず、部門間の連携強化、組織全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進、そして持続的な成長へと繋げることができるはずです。

まずは、気になる支援サービスを提供している企業に問い合わせて、具体的な相談をしてみることから始めてみてはいかがでしょうか。その一歩が、貴社のkintone活用を新たなステージへと導くきっかけとなるかもしれません。

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