kintone(キントーン)でできることとは?機能・メリット・活用事例を徹底解説

kintone(キントーン)は、現代のビジネス環境において業務効率化を目指す多くの企業にとって、注目の的となっているクラウドサービスです。プログラミングの専門知識がなくても、自社の業務に合わせたアプリケーションを構築できる手軽さから、幅広い業種で導入が進んでいます。本記事では、kintoneで具体的に何ができるのか、その主要機能からメリット、さらには導入時の注意点や活用事例、料金プランに至るまで、網羅的に解説します。

kintoneとは?基本をわかりやすく解説

kintoneの導入を検討する上で、まずはその基本的な概念を理解することが重要です。

サイボウズ社が提供するクラウドサービス

kintoneは、サイボウズ株式会社が提供しているビジネス向けのクラウドサービスです 。このサービスの最大の特長は、プログラミングの知識がない非IT部門の担当者でも、自社の業務内容や課題に合わせて業務システム(「アプリ」と呼ばれます)をノーコードまたはローコードで直感的に作成・カスタマイズできる点にあります 。kintoneという名称は、西遊記の「筋斗雲(きんとうん)」に由来しており、クラウド(雲)に乗って、迅速かつ自在に業務を進められるというイメージが込められています 。  

kintoneの仕組み:アプリとスペース、ポータル

kintoneのプラットフォームは、主に「アプリ」「スペース」「ポータル」という3つの要素で構成されています。

  • アプリ: kintoneにおける「アプリ」とは、個別の業務システムを指します。顧客管理、案件管理、日報管理など、業務ごとにアプリを作成し、それぞれにデータを蓄積していきます。各アプリは、データベースとしての機能(データの蓄積、一覧表示、検索、グラフ化など)と、データに紐付いたコミュニケーション機能(レコード単位でのコメント機能など)を併せ持っています 。  
  • スペース: 「スペース」は、特定のテーマやプロジェクト、チーム単位で情報共有や議論を行うための場所です。関連するメンバーだけが参加でき、スレッド形式でのコミュニケーションや、スペース内に関連アプリを設置することも可能です。社内SNSのような形で活用することもできます 。  
  • ポータル: 「ポータル」は、kintoneにログインした際に最初に表示されるトップページです。ここには、重要なお知らせや各ユーザーへの通知、頻繁に利用するアプリへの導線などが集約され、業務の入り口としての役割を果たします 。  
  • ピープルとスレッド: kintoneには、ユーザー間のダイレクトなコミュニケーションを促す「ピープル」機能や、特定の話題について議論を深めるための掲示板のような「スレッド」機能も備わっています 。  
kintoneできること用語の説明

kintoneの主な用語解説

kintoneを理解し、活用する上で基本となる用語をいくつか紹介します。

  • レコード: アプリ内で管理されるデータの単位です。例えば、顧客管理アプリであれば、顧客1社分の情報が1レコードに相当します 。  
  • フィールド: レコードを構成する個々のデータ項目のことです。例えば、顧客管理アプリのレコードには、「会社名」「担当者名」「電話番号」といったフィールドが含まれます 。  
  • フィールドコード: 各フィールドをシステム的に識別するためのユニークな文字列です。アプリのカスタマイズや外部サービスとの連携を行う際に重要な役割を果たします 。  

kintoneでできること:主要機能7選

kintoneが提供する多様な機能の中でも、特に業務改善に貢献する主要な7つの機能を紹介します。

1. ノーコード・ローコードでの業務アプリ作成

kintoneの最大の魅力は、プログラミングの専門知識がなくても、直感的なドラッグ&ドロップ操作で業務に必要なアプリケーションを簡単に作成できる点です 。日報、案件管理、顧客リスト、問い合わせ管理、採用進捗管理、タスク管理、経費申請といった多様な業務に対応する100種類以上の豊富なサンプルアプリ(テンプレート)が標準で用意されており、これらを選択するだけですぐに利用を開始できます 。また、現在利用しているExcelやCSV形式のファイルをkintoneに読み込ませることで、既存のデータを活かしたアプリ化も可能です 。もちろん、これらのテンプレートを基にカスタマイズしたり、完全にゼロから自社の業務フローに最適化されたオリジナルのアプリを構築したりすることも自由に行えます 。  

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2. データの一元管理と見える化

多くの企業では、顧客情報、案件情報、プロジェクトファイルなどが、部署や担当者ごとに異なるExcelファイルや紙の書類、個別のシステムなどに散在しがちです。kintoneを導入することで、これらの社内に散らばるあらゆる情報を一元的に管理できるようになります 。ExcelやWord、紙媒体といった異なる形式で管理されていたデータもkintone上に集約可能です 。一元化されたデータは、強力な検索機能や絞り込み機能を使って、必要な情報を迅速に見つけ出すことができます 。さらに、データの変更履歴は自動的に記録され、いつ、誰が、どのデータをどのように更新したのかを正確に追跡できます。誤ってデータを更新してしまった場合でも、過去の状態に復元する機能も備わっています 。蓄積されたデータは、グラフや表としてリアルタイムに可視化され、業務状況の把握や迅速な意思決定を力強く支援します 。  

3. ワークフロー(業務プロセス管理)の構築

稟議申請や経費精算、見積もり承認など、企業活動には欠かせない申請・承認といった一連の業務プロセス(ワークフロー)も、kintone上で簡単にシステム化できます 。ワークフローを設定することで、次に誰がどのような対応をすべきか、そして現在の進捗状況はどうなっているのかが明確に可視化され、業務の停滞や対応漏れを防ぐことができます 。複数の承認者や条件分岐を含む複雑な承認ルートも柔軟に設定可能で、企業の規模や業務内容に応じた運用が実現します 。承認作業は、オフィスにいる時だけでなく、スマートフォンからも行えるため、場所を選ばない迅速な業務遂行をサポートします 。  

4. コミュニケーションの円滑化

kintoneは、単なるデータ管理ツールに留まらず、チーム内のコミュニケーションを活性化させる機能も充実しています。各アプリ内のデータ(レコード)に対して直接コメントを書き込めるため、情報とその情報に関する議論や指示が分断されることなく、一箇所に集約されます 。メンション機能を使えば、特定の担当者や関係者に通知を送り、重要な情報の確認漏れを防ぐことができます 。前述の「スペース」機能を活用すれば、特定のプロジェクトチームや部署単位での情報共有、ディスカッション、ファイル共有などを効率的に行うことが可能です 。これにより、社内SNSのように部署の垣根を越えたオープンなコミュニケーションが促進され、組織全体の連携強化に繋がります 。さらに、「ゲストスペース」機能を利用すれば、社外の取引先や協力会社の担当者を限定的に招待し、特定のプロジェクトに関する情報共有や共同作業をセキュアな環境で行うこともできます 。  

5. リアルタイムな情報共有とマルチデバイス対応

kintoneはクラウドベースのサービスであるため、登録・更新されたデータは即座にシステムに反映され、関係者間でリアルタイムに共有されます 。これにより、常に最新の情報に基づいて業務を進めることができます。オフィス内のPCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末からも専用のモバイルアプリを通じてアクセス可能です 。そのため、外出先や移動中、あるいはテレワーク環境下でも、場所や時間を選ばずに必要な情報にアクセスし、業務を遂行することができます 。  

6. 外部サービス連携とAPIによる機能拡張

kintoneは、API (Application Programming Interface) やプラグインを利用することで、他のクラウドサービスや既存の基幹システムと柔軟に連携し、機能を拡張することができます 。例えば、freeeのような会計ソフト、Chatwork、Slack、LINE WORKSといったビジネスチャットツール、Googleカレンダー、さらにはMA(マーケティングオートメーション)ツールなど、多くの外部サービスとの連携実績があります 。サイボウズ社やパートナー企業からは、帳票出力、Webフォーム作成、高度なスケジュール管理機能などを提供する300種類以上のプラグインや連携サービスが公開されており、これらを活用することでkintoneの標準機能だけではカバーしきれない業務要件にも対応できます 。より専門的なカスタマイズが必要な場合には、JavaScriptやCSSといったプログラミング言語を用いて、独自の機能追加や画面デザインの大幅な変更を行うことも可能ですが、これには専門的な知識が必要となります 。  

7. 高度なセキュリティ

企業情報を扱う上でセキュリティは最重要課題の一つです。kintoneは、IPアドレスによるアクセス制限、認証アプリを用いた2要素認証、クライアント証明書による端末認証など、多層的なセキュリティ対策を提供しており、不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減します 。また、アプリ単位、レコード(データ)単位、さらにはフィールド(項目)単位で、閲覧、編集、削除などの操作権限をユーザーや組織、役職ごとに細かく設定できるため、機密性の高い情報も安心して管理できます 。サイボウズ社内にはセキュリティ対応専門チームが設置され、製品の脆弱性対策やデータ保護体制の強化に常に取り組んでいます 。データは日本国内のデータセンターで厳重に管理され、万一の事態に備えてデータの4重バックアップ体制も整備されています 。  

kintoneのメリット:業務改善への貢献

kintoneのメリット:業務改善への貢献

kintoneを導入することで、企業は多岐にわたるメリットを享受できます。

業務効率の大幅な向上

情報がkintoneに一元化されることで、必要な情報を探す時間が大幅に短縮されます。また、これまで手作業で行っていたデータ入力や集計、書類作成などの業務が自動化・システム化されることで、作業負荷の軽減とペーパーレス化が推進されます 。例えば、見積書アプリのデータからボタン一つで請求書アプリに情報を転記し、請求書を自動作成するといった、従来は専用ソフトが必要だった作業もkintone上で実現可能になります 。これにより、業務の属人化が解消され、業務プロセスの標準化も進みます 。  

柔軟なカスタマイズ性

kintoneの大きな利点は、自社の業務内容や変化に合わせて、必要な機能を必要なタイミングで柔軟に追加・修正できる点です 。外部のシステム開発会社に依頼することなく、現場の担当者自身が主体となってシステムを改善していくサイクルを迅速に回すことができます 。これにより、ビジネスの変化にスピーディーに対応し、常に最適な業務環境を維持することが可能になります。  

コストパフォーマンス

一般的に、業務システムを専門業者にスクラッチ開発してもらう場合、高額な開発費用と長い開発期間が必要となります。一方、kintoneはクラウドサービスであるため、比較的低コストかつ短期間で導入を開始できます 。料金プランは、月額1,000円/ユーザー(ライトコース、税抜、年間契約の場合、最小契約ユーザー数あり)から利用可能で、多くのプランで初期費用はかかりません 。これにより、特に中小企業やスタートアップ企業にとって、導入のハードルが低いと言えます。  

情報共有の促進と意思決定の迅速化

kintone上でデータがリアルタイムに共有されることで、関係者は常に最新の情報を基に状況を把握し、迅速な意思決定を行うことができます 。また、部署やチームを横断した情報連携が容易になるため、部門間のサイロ化を防ぎ、組織全体の生産性向上に貢献します 。  

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kintone導入の注意点とデメリット

多くのメリットがある一方で、kintone導入にはいくつかの注意点や潜在的なデメリットも存在します。

アプリの乱立と管理の煩雑化

kintoneは手軽にアプリを作成できる反面、明確な運用ルールや管理体制がないまま無計画にアプリを作成していくと、社内にアプリが乱立してしまう可能性があります 。その結果、類似機能を持つアプリが重複して作られたり、どのアプリに何のデータが格納されているのかが分からなくなったりと、かえって業務の非効率を招くリスクがあります 。  

高度なカスタマイズには専門知識が必要

基本的なアプリ作成や設定はノーコードで行えますが、より複雑な業務ロジックの実装や、大幅な画面デザインの変更、外部システムとの高度な連携などを行おうとすると、JavaScriptやCSSといったプログラミングの知識が必要になる場合があります 。また、kintoneの標準機能だけでは対応できない複雑な計算式や統計処理も存在します 。  

拡張機能や連携サービスの追加コスト

kintoneの基本料金は比較的安価に設定されていますが、より高度な機能や特定の外部サービスとの連携を実現するためにプラグインや連携サービスを追加していくと、それぞれに別途費用が発生する場合があります 。結果として、月々の運用コストが想定以上になる可能性も考慮しておく必要があります。  

大量のデータ処理や基幹システムとしての限界

kintoneは非常に柔軟なツールですが、数百万件を超えるような大量のデータの一括処理や、企業の根幹を支える非常に複雑な基幹システム(ERPなど)の完全な代替としての利用には、パフォーマンスや機能面で限界がある場合があります 。ディスク容量は契約ユーザー数に応じて割り当てられますが(例:スタンダードコースで1ユーザーあたり5GB)、極端に大規模なデータを扱う場合は注意が必要です 。  

kintoneできること活用事例:業種別・業務別に見る効果

kintone活用事例:業種別・業務別に見る効果

kintoneは、その柔軟性と拡張性の高さから、多種多様な業種・業務で活用され、具体的な成果を上げています。

【業種別】kintone導入事例

  • 製造業: 生産計画と実績の管理、品質管理プロセスの記録、在庫のリアルタイム把握、図面や技術文書の共有などに活用されています。デンソー株式会社やTDK株式会社といった大手企業での導入事例も報告されています 。  
  • 小売業: 複数店舗の運営状況の一元管理、POSデータと連携した売上分析、在庫管理と自動発注システムの構築、顧客情報(CRM)の管理による販促活動の最適化などに利用されています。株式会社良品計画や株式会社赤福といった企業での活用例があります 。  
  • 建設業: 工事案件ごとの進捗管理、予算・原価管理、図面や仕様書の共有、現場からの日報や写真報告、安全管理記録の作成といった業務で効果を発揮しています 。  
  • サービス業: 宿泊施設やレストランの予約管理、スタッフのシフト作成・管理、顧客からの問い合わせ対応履歴の管理、会員情報に基づいたフォローアップなどに役立てられています。星野リゾートグループなどでの導入事例があります 。  
  • IT企業: プロジェクトごとのタスク管理、工数管理、課題管理、営業支援(SFA)としての顧客・商談管理、社内ナレッジ共有基盤の構築などに活用されています。開発元であるサイボウズ自身もkintoneを全社的に活用しています 。  
  • 医療・福祉: 患者情報やカルテ情報の一部管理(セキュリティ要件を遵守の上)、介護サービスの記録、施設内の備品管理、職員間の申し送り事項の共有、シフト管理などに導入されています 。  
  • 教育機関: 学生の成績や出欠情報管理、授業のシラバスや教材の共有、校務に関する各種申請業務の電子化、保護者へのお知らせ配信などに利用されています。埼玉大学教育学部附属小学校などの事例があります 。  
  • 自治体: 災害時の避難所運営情報の集約・共有、市民からの災害情報や道路損傷などの通報受付システム、各種補助金・助成金の申請受付・審査システム、選挙事務の効率化(応援職員募集や投票状況報告)など、行政サービスのDX推進に貢献しています。宮城県庁や神戸市役所など、多くの自治体で導入が進んでいます 。  
  • その他: 上記以外にも、法律事務所での案件・顧客管理、NPO法人での活動記録・会員管理、農業振興団体での農地情報管理など、規模や業種を問わず、様々な組織で独自の活用がなされています 。  

【業務別】kintone活用事例

  • 顧客管理(CRM): 顧客の基本情報、過去の対応履歴、購買履歴、問い合わせ内容などを一元的に管理し、営業担当者間での情報共有をスムーズにします。これにより、きめ細やかな顧客対応や効果的なアプローチが可能になります 。  
  • 営業支援(SFA): 案件の進捗状況、商談のフェーズ管理、受注確度、売上予測などをリアルタイムに可視化し、営業活動の効率化と精度向上を支援します 。  
  • プロジェクト管理: プロジェクトごとのタスク割り当て、進捗状況の確認、工数管理、課題やリスクの共有などをチームで行い、プロジェクトの遅延防止や品質向上に繋げます 。  
  • 日報管理: 統一されたフォーマットで日々の業務報告を作成・提出できるようにし、上司やメンバー間での情報共有を円滑にします。コメント機能でフィードバックも容易です 。  
  • 問い合わせ管理: 顧客や社内からの問い合わせ内容、対応状況、担当者、解決までの経緯などを一元的に記録・管理することで、対応漏れや二重対応を防ぎ、顧客満足度の向上に貢献します 。  
  • 在庫管理: 商品や部品の在庫数をリアルタイムで把握し、発注点管理や自動発注通知機能を設定することで、欠品リスクの低減や過剰在庫の防止に役立ちます 。  
  • 勤怠管理・経費申請: 出退勤時刻の打刻、休暇申請、残業申請、交通費や出張費の申請・承認といった人事労務関連の業務を電子化し、ペーパーレス化と効率化を実現します 。  
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kintoneの料金プラン

kintoneの料金プランは、主に「ライトコース」と「スタンダードコース」の2種類が提供されています。

ライトコースとスタンダードコースの違い

  • ライトコース: 比較的低価格でkintoneの基本機能を利用したいユーザー向けのプランです。2024年11月の価格改定により、月額1,000円/ユーザー(税抜)、最小契約ユーザー数は10ユーザーからとなっています。作成できるアプリ数は最大200個、スペース数は最大100個までといった制限があります。また、外部サービスとの連携機能(API利用)やプラグインの利用に一部制限があるため、利用したい機能が対応しているか事前の確認が必要です 。  
  • スタンダードコース: kintoneの全ての機能を利用したいユーザー向けのプランです。月額1,500円/ユーザー(税抜、年間契約の場合は17,640円/年・ユーザー)で、最小契約ユーザー数は5ユーザーからとなっています。作成できるアプリ数は最大1,000個、スペース数は最大500個までと、ライトコースよりも多くのリソースを利用できます。外部サービス連携、プラグインの利用、API利用など、kintoneが提供する全ての機能を活用できます 。  
  • ディスク容量: いずれのコースも、1ユーザーあたり5GBのディスク容量が提供されるのが一般的です 。  

料金やプラン内容は変更される可能性があるため、最新の情報は必ずサイボウズ社の公式サイトで確認することが推奨されます。

その他費用(オプション、プラグインなど)

kintoneの基本料金に加えて、以下のような費用が発生する場合があります。

  • プラグイン・連携サービス: kintoneの機能を拡張するプラグインや、特定の外部サービスとの連携を実現するサービスの中には、別途月額または年額の利用料が必要となるものがあります 。例えば、トヨクモ社が提供するWebフォーム作成サービス「FormBridge」は、月額7,000円(ライトコース、税抜)からの料金設定となっています 。  
  • 導入支援・カスタマイズ開発: 自社でのアプリ構築や設定が難しい場合、kintoneパートナー企業に導入支援やカスタマイズ開発を依頼すると、その分のコンサルティング費用や開発費用が発生します 。  
  • 初期費用: kintone自体のライセンス契約に初期費用は基本的にかかりませんが、導入支援サービスなどを利用する場合には、初期設定費用などが別途必要になることがあります 。  

kintoneを効果的に活用するためのポイント

kintoneを導入し、その効果を最大限に引き出すためには、いくつかの重要なポイントがあります。

導入目的の明確化とスモールスタート

まず、「何のためにkintoneを導入するのか」「どのような業務課題を解決したいのか」という導入目的を明確にすることが不可欠です 。目的が曖昧なまま導入を進めると、効果的なアプリ設計ができず、期待した成果が得られない可能性があります。そして、最初から全社的に大規模導入を目指すのではなく、特定の部門や限定的な業務から小さく始めて(スモールスタート)、その効果を検証しながら徐々に利用範囲を拡大していくアプローチが推奨されます 。  

社内への浸透と教育体制の整備

新しいツールを導入する際には、従業員がスムーズに利用を開始し、定着させることが成功の鍵となります。そのため、kintoneの基本的な使い方や自社で構築したアプリの操作方法に関するマニュアルを作成したり、研修会を実施したりといった教育体制を整備することが重要です 。また、kintone導入によってどのようなメリットがあるのかを社内に丁寧に周知し、利用を積極的に促すことも大切です 。社内にkintone推進の旗振り役となる担当者やチームを設置することも、浸透を加速させる上で有効な手段となります 。  

継続的な改善と運用ルールの設定

kintoneで作成したアプリは、一度作ったら終わりではありません。実際に運用してみると、「もっとこうしたい」「この機能が足りない」といった改善点が見えてくるはずです。定期的にアプリの利用状況をレビューし、現場のフィードバックを元に改善を繰り返していくPDCAサイクルを回すことが、kintone活用の質を高めます 。また、アプリの無秩序な作成を防ぐために、アプリの命名規則、管理責任者の明確化、類似アプリ作成時の確認プロセスといった運用ルールを設けることも、長期的な視点での管理の煩雑化を避けるために重要です 。サイボウズ社からは定期的にkintoneのアップデート情報が提供されるため、これらをチェックし、新機能を積極的に活用していく姿勢も求められます 。  

外部の専門家やコミュニティの活用

自社だけでの対応が難しい複雑なカスタマイズや大規模な導入プロジェクト、あるいは特定の業務課題に対する最適な解決策が見いだせない場合には、サイボウズ社が認定するkintoneパートナー(導入支援企業)のサポートを検討することも有効な選択肢です 。これらの専門家は豊富な導入実績とノウハウを持っており、的確なアドバイスや開発支援を提供してくれます。また、kintoneユーザーが集まるコミュニティや勉強会に参加することで、他社の活用事例を学んだり、運用上の悩みを相談したりする機会を得ることもできます 。サイボウズ社自身も、初心者向けの導入ガイドセミナーや詳細なヘルプドキュメント、活用事例紹介ブログなど、豊富な学習コンテンツを提供しています 。  

まとめ:kintoneで業務の可能性を広げよう

kintoneは、プログラミングの専門知識がない人でも、自社の業務に合わせたシステムを構築し、業務改善を実現できる非常に強力なクラウドプラットフォームです 。散在しがちな社内データの一元管理、煩雑な業務プロセスの効率化、チーム内外のコミュニケーション活性化など、導入によって企業は多岐にわたるメリットを享受できます 。  

一方で、アプリの乱立や高度なカスタマイズの難しさといった注意点も存在します。これらを事前に理解し、導入目的を明確にした上で計画的に活用していくことが、kintoneを真の業務改善ツールとして活かし、企業の成長を力強くサポートするための鍵となります 。  

多くの企業で導入実績があり、その柔軟性と拡張性から様々な課題解決に貢献しているkintone。まずは無料お試し期間を利用したり、サイボウズ社が提供するセミナーに参加したりすることから、その可能性に触れてみてはいかがでしょうか 。  

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